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家探し、購入、引越し、メンテナンスの記録

町内会のこと

賃貸生活のころは町内会には入会していたけれども、組長をしたことはなかった。常に「今年引っ越すかもしれない」と思っていたのもあるし、あまりお願いが来なかったという経緯もある。

 

今年度は初めて組長をしてみて、町内会が抱える問題は思ったとおりだった。

 

多様性に対応していないこと

町内会の子供向けのお祭りや、神社の行事への参加は、子供がいない家庭や異なる宗教の家庭には向かない。

若い人は町内会に意義を感じないばかりか、組長などの担当分掌や町内会費の負担が厳しい。

 

行政におまかせしたいこと

防犯対策の行事や、ゴミ出しや清掃の管理は行政が人を雇用してやるべきだと思った。

 

<緊急時訓練・防犯などの活動>

防犯活動としては、1日だけ近所の見回りをするという日が設定されていたが、回覧板で知らせてあった防犯看板の掲示状況は悪く、それほど協力的ではないことが分かった。

この防犯の取り組み方法は妥当ではないということだ。

仕事と重なって参加できなかったイベントに、AEDの使い方研修のようなものがあったと記憶している。こういう緊急対策は町内会で催して機能するのか疑問だった。

組長が回ってくる時だけ参加するというタイプのイベントになっている。よくない。

 

<地域の清掃活動>

5月に地域の清掃という、これまで住んでいた地域でやったことがないイベントに参加した。

基本的に自宅の前の道路の草取りぐらいで、他人の敷地の周りなどの掃除を協力してやるのは難しい。お隣ぐらいならまだしも、区域の反対側まで行って掃除するような人はいない。そうすると、角地で並木の植樹などもある道沿いの住人は、掃除面積が広くなってしまう。組長にその不満を漏らすが、組長としても仕事の分配などの権限はないので、どうしようもない。

また、側溝の蓋など、女性の一人暮らしでは持ち上げられないところの掃除は放念される。

<ごみ集積所>

もう一つ、行政が雇用してやるべき仕事に、ゴミ収集場所の清掃というのがある。

この辺りの資源ごみは、回収場所が決まっていて、ビンや缶、プラスチック、ペットボトル、紙に分けて出す。その日の朝、ルールを守っていない出し方のゴミ袋を開けて、中身を適切な袋に入れ直すなどの作業をする。

ちゃんと出さない人はいるもので、缶とベトボトルが混ざった袋から缶だけ出して別の袋に入れる作業をしていると、腹立たしくもある。出勤の前の忙しい時間にやらなくてはいけないし、できない日もある。

 

みんな働いている

<人選>

3月末の集会所での組長会議で、副町内会長、経理、書記などを選出する。

やりたいという人もなく、また有志がいても、その仕事の方法を自分の采配で変えてもいいという権限は与えられないので、仕事などとの兼ね合いもあって「やっぱりできません」となったりする。

受けたら受けたで、旧態依然としたアナログな方法での仕事を、だたやらされることになる。この辺は町内会長の采配もあるんだろうけれど、町内会長を受けてくれるというだけでもありがたい話なので、そこは大声では言えない。

人選は、神社の行事などに誰が参加するのかというような時にも発生する。やりたくないので、有志がいないと町内会長さんが自らということにもなる。

 

<会議招集頻度と内容>

組長会議は毎月開催されると宣言されて、少しうんざりしたけれど、実際には最初の3ヶ月ぐらいは毎月行い、あまりの参加状況の悪化で続行できなくなった。結局年度の後半は会議は開かれなかった。

すでに、初日の3月の会議でゴミの集積所の掃除活動はできないという発言があった。たしかに出勤前にできる作業ではない。別の会議日には、集積所へ行ってももうひとりの担当者が来れないということがあって、毎回1人で作業しているという不満も出た。

最後の集会は実施されると予告されたが、3月はコロナという特殊な事情もあって集会は中止になった。個別に御礼の品が配布された。

 

デジタル化できない

回覧板は、インターネット上で情報共有とはならないものかと思ったけれど、お隣の60代ぐらいに見える奥様が、インターネットもスマホもないということだったので、さらに向こうの80代のご夫婦とか、町内会長さんとか、紙で情報を得る世代の人々が過半数の状況では無理だなと分かった。

回覧板を見ているかどうか、おそらく2~3人しか見ていないのではないか。回覧情報と配布物(一部づつ取る)があるが、配布物を取る人もほぼいない。赤い羽根も誰も取らない。

市のホームページからほとんどの情報が得られるのだ。

 

メリット

やってみて面倒なこともあったけれど、地域の情報や近所の人たちのことが少し分かり、市政に感ずることも増えるなど、情報面のメリットもあった。

4月の町内会費の集金で、この組の構成員の各位のご家庭の様子や人柄が分かった。

 

 

世代交代で、町内会の活動内容のうちその意義が失われている内容も多いことも分かった。意義のない活動に多忙な時間を費やすことを厭う住人も当然いる。かといって、その活動を必要としている人もいて、すぐに廃止とはいかない。

 

コロナ禍で、町内会にも見直しや変化が訪れるといいかと思う。