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家探し、購入、引越し、メンテナンスの記録

なんとなく空き家

実家がもうすぐ築60年になる。

昭和の木造建築なので、小さな部屋をぐるっと家具が囲い、その中心の隙間にこたつを置いて家族全員でテレビを見るような暮らしをしていた。

 

増築部分ももうすぐ50年になる。どちらも古い。

 

父の生前、玄関のバリアフリー化や、廊下などの手すり設置などはやった。

子供は家を出ているので、母だけになっていたが、20年ぐらい前に旧屋部分のキッチンと居間の仕切りを取ってワンルームにするリフォームをしたと聞いている。

 

その母も、リフォーム後にこの実家家屋には住んでいない。

一応居住していることにはなっていて、月2回ぐらいは帰っているそうだけれど、主にもう一つの家の方に住んでいる。

 

そうなってくると、この古い実家を今後どうするんだろうかの問題が常にあり、年々深刻さを増してくるが、かといってあまり考えないようにしている。

 

すくなくとも、現在は母親が住んでいることにはなってるし、実際に何泊もしている日もあるようなので、母が亡くなるまでは考えても仕方がない(親の家なんて、所詮子供が将来計画を立てても採用されない)。

 

しかし考えざるを得ない時期が迫っていることは確かである。

幸いというか、あまり幸いではないかもしれないが、この母には孫がいない。したがって、相続云々の話になった場合、遠くの親戚とか見たこともない甥とか姪とかは絡んでこない。直接の娘であるわたしと妹が責任を持つことになる。

 

私と妹がなんらかの話し合いをしたことがあるかというと、全くない。妹はなぜか主観世界に生きていて、現実のそういう話をちゃんとするのに骨が折れる。

それでも、私の勝手な妄想レベルだが、妹夫婦が実家に移り住んでくれると助かるなあというような希望はある。妹夫婦は仕事関連の駐在などで日本に住んでいない時期もあったり、仕事を変えたときに引っ越したりで、現在は持ち家ではない。家賃を払っている人達なので、実家を継いでくれれば持ち家にもなる。

でも、持ち家を所有することにどの程度価値がるのかは分からない。リフォームしてあるとはいえ築60年なのだし。

 

実家のほかに、土地もあって、その処分にも手間がかかる気がする。

土地としては用途が小規模工場などもOKの土地なので、住居としてはあまりいい環境とは言えない。近所は個人経営の工場や喫茶店などで、住宅も少しだけという感じのところである。

母がその土地を駐車場として貸し出して収入を得ているが、我々子どもたちからすると、早めに土地を処分して母が自分の生活費として生きている間に使ってくれればという気持ちである(言わないけど)。

母の世代では、不動産を所有して何かあったときのリスクヘッジとするのは分かる。しかも、子供にその土地を相続させることを、むかしから心のどこかで楽しみにしている様子である。まさか「いらない」と思っているなんて、夢にも考えていないだろう。

 

というわけで、古い実家も、環境がいいとはいえない土地も、さらにお墓も、全部現金にしておいてくれればどんなに楽かしらんと思ってはいる。